製本が終わり、手元に実物が届きました。
「納浩一といえば、もう何冊も本を出している人」と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、実はこうやって、一から全てのアイデアと内容を企画し、そして文章も全て自筆によるというベースの教則本は初めてです。
この前に出した本、「実践理論講座」は、実際に行われた講義の内容を書き起こしたものですから、作文ではありません。
「ジャズ・スタンダード・セオリー」は、確かにそれに近いのですが、理論のお話ですから、僕の本職とはちょっと違います。
自身がいろんなところで習ったり自ら考えてきた、ポピュラー理論へのわかりやすい切り口を紐解いたといったところでしょうか。
バイブルに至っては、この世にあるジャズスタンダードの名曲の数々を、まさに僕の個人的な想いで編集したということに過ぎません。
そうそう、「あの本に載ってないからスタンダードじゃ無い」なんて、絶対考えないでくださいね!
あれはあくまで、僕の個人的な経験と好みから選ばれた554曲ですから。
ということで、今回のこの「バイブル・フォー・ジャスベース」ですが、もちろんこちらも個人的な経験と好みが元とはなっていますが、やはりそこは僕の本職であるベースのお話しですから、一段、こだわりも深いといえます。
そして還暦を迎え、ベース歴も45年を超えて、自分のベーシストとしての歩みや想いを、こういった一冊の本にまとめられたというのは、本当に幸運だと思います。
アルバムというのも自分の大事な創作物ですが、本というのも、こうやって出してみると、それに負けない重みがあります。
是非そんな想いが、ヒントを求めるベーシストの皆さんに届けばと思っています。
そして次なるプロジェクトは、1997年に出した最初のリーダーアルバム、「三色の虹」から数えること24年、ついに2枚目のアルバムの制作に取り掛かることとしました。
(アルバム「琴線」は、一応キングレコードの企画ものということで、そこには含めてはいませんが、こちらも僕に取っては本当に重要な作品です)
まだ内容や時期は言えませんが、なんとか一枚目に負けない作品にしたいと思っています。
そしておそらくは、それが僕の生涯の最終作品になろうであろうとも思っています。
そんなわけで、ミュージシャン・納浩一の音楽的集大成としての自作も、ご期待にください!