いま両立しようとがんばっているのですが、なかなかうまくいきません。結局両方マスターできず終わってしまう気がしてしまいます。
納さんは修業時代どのくらいの割合で練習なさってましたか?
僕自身、何度くじけかけたか!
僕の場合、エレベを始めたのが14歳で、ウッドを始めた19歳の時には、結構エレベが弾けるようになっていました。そのことが、両立への負担を軽くしたのだと思います。
とにかく、エレベしかしないの人、あるいはウッドしかしない人の、単純に2倍の練習が必要です。
それはもう、ただひたすら練習しているしかありません。
そういう意味では、同時に両方をスタートさせるのは、あまりに負担が大きいかも知れませんね。
僕はウッドを始めたときは、もうそっちばかりで、エレベを触っている暇なんかありませんでした。そうこうしているうちに、24歳でバークリーに行き、そこにいる、強力にうまいエレベ・プレーヤーを目の当たりにして、「これではいかん! エレベもやらねば!」ということで、そのこれから両方をまめに変えながら練習するようにしました。
その頃はもうウッドを始めて5~6年経っていたので、半々くらいの割合でもいい感じになっていました。
そして、双方の奏法が互換性を持ち始めたのは、バークリーを卒業する頃、ベースを弾き始めて14年目、ウッドを始めて10年目の、28歳のころでした。
そんなわけで、10年は食らいつかないとだめですよ。あきらめないでがんばってください。その努力は、必ず報われるときがあるはずです。
いまは、半々というわけにいかないでしょうから、ウッド7のエレベ3くらいでしょうか?
例えば、騒音の問題等でウッドが弾けなくなる夜は、エレベを弾く、とか、コピーした、かなり困難なウッドのフレーズなんかは、まずはエレベで練習しておくとか、理論的なこと(オルタードやコンディミ・スケールのフレーズ、ベースを使ってのコード進行の解釈等々)はエレベでやっておく、などというのはいい方法だと思いますよ。