秋もすっかり深まってきましたが、みなさん、インフルエンザなどに罹ったりしていないですか?
僕は今日、とある大学にいって、そこのビッグバンドにベースのレッスン件バンドのクリニックをする予定だったのですが、そのメンバーの何人かがインフルエンザを発症したということで、急遽延期。期せずして一日デイオフとなりました。
皆さんのなかにも、影響を受けていらっしゃる方もおられると思いますが、こればっかりはどうしようもないですからね。やはり肝心なのは基礎体力だと思います。マラソンとまではいいませんが、運動と栄養と規則正しい生活、心がけましょうね。

マラソンといえば、来月栃木県は佐野市で開かれる「さのマラソン」に、半年ぶりのマラソン大会として出場します。なんでも日本100選に選ばれている、景色のいいコースだそうで(というか、日本100選の山や川があるのは知っていましたが、マラソンコースにもあるとはね!)、キャッチフレーズが、「ほとんどフラットな、のどかな田園を走るコース」だそうなので、冬の田園風景を堪能しながら、のんびりゆっくり走ってこようと思っています。
さらに、今ウキウキしているのが、なんと来年2月に開催される東京マラソンに、参加させてもらえることになりそうだということです。もし本当に走ることができたら、お近くがコースになっていらっしゃる方、是非沿道に来て応援してください。 っていったって、いつそこを走るかわかりませんよね。とにか
く、普段は車で通過している都内の随所を、こちらも、ゆっくりのんびり、堪能しながら完走を目指したいと思います。

さて本日の本題。最近の音楽業界でのビッグニュースは、やはりなんといってもビクターの、音楽ソフト部門の身売りではないでしょうか。まだビクター自体は認めたのかどうかは分かりませんが、まあ、これだけ大々的に報道されていることを考えれば、間違いなく身売りされるのでしょう。
その原因が、もちろんビクター本体の電気機器の業績不振ということもあるのでしょうが、音楽ソフトの販売の大きな落ち込みというのもあるようですね。
ネットで見る限り、平成10年にピークを迎えた音楽ソフトの生産額は、平成20年にはその半分になったそうです。約6000億円あった売り上げが、
3000億にまで落ち込んでいるそうです。しかも「高齢者層の指示で唯一堅調な演歌部門を除けば、他はじり貧状態」だそうです。まあ、それでもヒットのあるポップスはいいですけど、ジャズ部門はねぇ....。
ビクターといえば、貞夫さんもそうでしたし、熱帯ジャズ楽団や塩谷哲くん、本田雅人くんなど、そうそうたる、ジャズのなかでも売れ線の人達が、今でも所属
していたり、かつて所属してましたよね。というか、EQだって、最初の数枚は、ビクター内にあったアオシスレーベルから出ていたんですよね! それに社員
の方にも、CD制作の担当をしていた人など、何人か知っている方もいました。そういえば、マーカス・ミラーもビクターですから、彼のインタビューを
したときなども、ビクターのマーカス担当の方がこられて、その方は日本のアーティストも担当されていて、貞夫さんの現場などでも何度もお会いしていたの
で、色々談笑した記憶があります。身売りということになると、そういった社員の方もどうなるんでしょうね? 人ごとながら、ちょっと心配です。

身売り先はコナミではないかというようなことが聞こえてきます。なぜかというと、データ配信に強いからだとか。そりゃそうですよね。いまは、音楽はダウン
ロードする時代。若い人達は、CDでは買わなくなってきています。でも、ということは、もしコナミになれば、ダウンロードという形態に最もそぐわない音楽のひとつであるジャズを、そのコンテンツとしてコナミが持ち続けるとは到底考えられません。ますますジャズは厳しくなるってことですかね? うん、十分考えられますね。
もちろんぼくのような、ジャズにおいても周辺にいるようなプレーヤーは、ビクターなどという大手から自らのCDをリリースするようなチャンスは全くなかったので、そういうミュージシャンに直接的な影響はないのでしょうが、しかしそうはいっても、僕も、かつてのEQがそうでしたし、またビクターから出ている
貞夫さんのアルバムに参加していたりと、間接的にはもちろんそれなりの関係がありました。それが無くなるということは、やはりなんらかの影響が出るということですよね。

音楽業界の売り上げにおいて、ビクターは第4位だそうです。その上位の3つの会社とは、第1位ユニバーサル、第2位エイベックス、第3位ソニーだそうで
す。ユニバーサルには小曽根真さんや上原ひろみさん、ソニーには日野皓正さんやケイコ・リーさんなどがいます。さすが大手が抱えてるアーティストだけあって、ビッグネームですよね。ただCDのセールスという意味では、どれほどの枚数がでているのでしょうか? 実際、そのCDの売り上げ実績から、自作の制作
費というものが決まるはずです。流石に売れないから契約解除なんてことは、これほどの人達ならないでしょうが、でも予算が減るというのはきついでしょうか
らね。(そういえばエイベックスはジャズをやっているのでしょうか? あまりきかないなぁ)

さて翻って、自分自身の問題。大手とはほとんど縁がないといいました。僕が自分自身のアルバムの問題として関わりあえるようなところは、やはりインディー
ズレーベルですね。たとえば布川俊樹さんとの双頭アルバム、「DuoRama」をリリースしてくれたZizoレーベル、またいまや新たに刷ることは望めないだろうと思われる(これは事実上廃盤です! あ~、悲しい...)僕の初リーダーアルバム「三色の虹」を出してくれたP-Vineレーベル等々。
(手元に「三色の虹」の在庫がなかったので担当者に電話したら、「あ~、日本中に手配したら3枚だけありました。今後ですか? いや、新たに刷るというようなことは考えていませんね。」ですって)
まあ、ことジャズに関していうなら、その売り上げも枚数からいっても、コンテンツとしての状況からいっても、宣伝の在り方やそのフットワークの軽さなどを
考えて、やはりインディーズから出だすのがいいのかなと思います。大手レコード会社って、でかくなりすぎた恐竜みたいなもので、自分の重みで全く身動きが取れなくなって、結局自滅するような感じがしますよね。それに対してインディーズというのは、大絶滅期を生き残った、小さな哺乳類みたいなものかも、ですね。特にジャズには向いているような感じがします。
そういえば、多分来月、ギターの三好3吉君が、僕とのデュオで録音したアルバムをリリースする予定です。今どこから出すかを模索中らしいのですが、場合に
よっては自分でレーベルを立ち上げるかも、なんてことを言っていました。で、それがうまくいったら、何人かのミュージシャンの有志を募って、出資し合っ
て、みんなでそれぞれのアルバムをリリースし合えるような、そんなチームを作りたいね、なんてこともいっていました。そうですよね、もうこんな時代、他力本願ではにっちもさっちもいきません。自らが責任を負って局面を打開するようなことを考えなくてはいけないのかもしれません。でないと、ほんと、ジャズ
ミュージシャン50歳引退説が現実味を帯びてきます!
こんな逆境の時こそ発想の転換が必要なのかもしれません。

ということでみなさん、いい知恵があったら、是非ご教授お願いします。もちろんそれよりも何よりも、今まで以上にライブに足を運んでもらって、CDも購入して頂ければと思います。もちろんお財布と相談して。

CODA /納浩一 - NEW ALBUM -
納浩一 CODA コーダ

オサム・ワールド、ここに完結!
日本のトップミュージシャンたちが一同に集結した珠玉のアルバム CODA、完成しました。
今回プロデュース及び全曲の作曲・編曲・作詞を納浩一が担当
1998年のソロ作品「三色の虹」を更に純化、進化させた、オサム・ワールドを是非堪能ください!