ポール・ジャクソンが今日、亡くなりました。
また1人、レジェンドが旅立たれました。
実は、親戚のお医者さんが勤務する病院に運ばれていたということで、すでに数日前からかなり容体は重篤だと聞いていました。それはそれでなんか不思議な縁すら感じるところです。
実際、彼のそのプレイには、ハービー・ハンコックのヘッドハンターズをはじめ、僕も多大な影響を受けました。
その中でも「Autual Proof」は、僕のアルバム「琴線」でも取り上げましたし、また最新の拙書、「バイブル・フォー・ジャズベース」でも紹介させてもらいました。
ポールとは、一度共演したことがあります。
彼と僕の接点は、ドラマーの日野元彦さんのバンドを2人ともやっていたという点で、そんなご縁もあって、ある時、たしかトコさんのバースデーコンサートだったと思いますが、ダブルキャストということになったと記憶しています。
そして最後のセッションは2ベースでということで、同じステージに立ったのですが、彼のその身体の大きいことといったら!
しかも凄まじい力で弾いていることにも驚きました。
スラップに至っては、その右手が、ベースから50センチは離れているようなところからベースを引っ叩いたり弦を弾いたり。
案の定、ステージで、なんと3弦を切ったんです!
1弦なら、あるいは百歩譲って2弦を切ることはあるでしょうが、よりによって3弦を切る人なんて見たことも聞いたこともありません。
それくらい凄まじい破壊力のパワー全開でベースを弾くからこそ、あのグループが出るんですね。
そういえばその時、客席にもう1人のレジェンド、T.M.スティーブンスが聞きに来ていたので、トコさんが「ステージに来いよ!」と声をかけ、結局は3ペースに。
両側に山のような、そう、ゴリラが直立したような大男がいて、その間に僕がいるという図、想像してみてください。
でも思えばそんな素晴らしい経験を、本当にたくさんさせてもらってきたものだと思います。
そしてレジェンドが1人、また1人と消えていくのはほんとうに寂しい。ポンタさんもそうですね。
これからもお別れが沢山あるとは思いますが、だから今を、そして一瞬一瞬の一期一会を大切にしたいとおもいます。
合掌。