僕のアルバム「CODA」に参加していただいたミュージシャンへのインタビュー、その第8回目は、今回僕のアルバムで八面六臂の活躍をしてくださった、小池修さん(アレンジャー、バンドリーダー、SAX奏者)さんです。
今回のアルバム、全12曲のうち8曲に参加していただいていますが、それぞれの楽曲ごとに、何の楽器を演奏していただいたかに触れつつ、参加曲を挙げていきたいと思います。
1曲目「B.B.Groove」
この曲は、もともと2000年頃に僕が立ち上げた、その名も「B.B.Groove」というユニットで演奏していた曲を、今回新たにリメイクしてみました。
そのユニットは、僕と小池さんのバリトン・サックスを中心に添えて、その2本の低音楽器が織りなすグルーブの上で、布川俊樹さんと矢堀孝一さんのお二人のギタリストに、ロック色あふれるサウンドを載せるというコンセプトでした。
ですから、この曲ではバリトンサックスとベースがユニゾンでぶりぶりのファンクビートで突っ走っていくという、そんな楽曲。小池さんのバリトンが火を噴いています。
2曲目「Change The Rhythm」
この曲はビッグバンドですが、サックスセクションは全て、本田雅人さんと小池修さんが自宅で、いわゆる宅録をしてくださいました。
もちろん小池さんには、テナーサックスとバリトンサックスの、合わせて3パートをお願いしました。
4曲目「Cook Like Monk」
これは打って変わって、総勢15人のミュージシャン全てをスタジオに呼んでのビッグバンドの同録です。こちらではテナーサックスとフルートを吹いていただいています。
5曲目「黄昏のリヨン」
この曲も、先ほど触れた「B.B.Groove」というユニット用に書いた曲なので、もちろんこの曲でもバリトンサックスを吹いていただいていますが、先ほどの曲とは違って、こちらでは小池さんの、バリトンサックスによる豊かなサウンドでのメロディをフューチャーしました。
6曲目「三つの視座」
この曲は同録のビッグバンドですが、バラードでの部分ではクラリネット、そして激しいビートの上では雄叫びを上げるようなソプラノサックスのソロという、かなり無茶振りなアレンジにもかかわらず、素晴らしい演奏を展開してくださっています。
8曲目「Milesmiles」
この曲も同録のビッグバンドですが、この曲はある意味、EQのリユニオンということで、その4人のメンバーをフューチャーしてみようというコンセプトでアレンジしました。
小池さんにはもちろん、テナーサックスによるソロも取っていただいていますが、もう一つ特筆すべきことは、この曲でのサックスソリは、実はそのEQのデビューアルバムに収録したこの曲での小池さんのサックスソロを採譜して、サックスソリに仕立て直してみました。
二重の意味で、小池さんをフューチャーしたアレンジです。
10曲目「ひとりぼっちのジョージ」
この曲はまたまた、サックスセクションは自宅での作業。
小池さんにはテナーサックスの2パートとバリトンサックスを演奏してもらっています。
11曲目「その先に見える風景」
この曲では、後半部分で、EWIというウインドシンセを演奏してもらっています。
ウインドシンセというのは、シンセサイザーのような音色なのですが、操作方法はまさにサックス、というよりも縦笛に近いのでしょうか?
ですから、シンセより細かなニュアンスを出すことが出来ます。
どこかしら、ウェザーリポートでのジョー・ザビヌルのサウンドを、小池さんの吹くEWIで作って欲しいとお願いしたのですが、見事に、いや、僕の予想以上の素晴らしい世界を作ってくださいました。
ということでこの8曲に参加してくださった上に、さらには僕の拙いビッグバンドアレンジを、その細部にわたって細かく添削・修正もしてくださいました。
本当にこのバルバムは小池さんの尽力、アイデア、経験、知識なしでは出来なかったと思っています。
そんな小池さんの随所に渡る大活躍も、このアルバムの聞き所ではないかと思います。