新作「CODA」の動画トレーラー、第11回目は、スタジオのメンバー全員をお呼びして録音した、ビッグバンド編成による曲です。この曲では、カトリアンこと、香取良彦さんのビブラフォンと、そしてなんとマリンバをフューチャーしました。
参加メンバー:
Sax ; 近藤和彦、真野峻磨、小池修、黒川和希、鈴木圭
Tp ; 西村浩二、奥村晶、具志堅創、岡崎好朗
Tb : 村田陽一、鹿討奏、大浦時生、笹栗良太
Marimba & Vibraphone : 香取良彦
Dr;大坂昌彦
香取良彦さんといえば、しる人ぞしる、伝説のビッグバンド「香取良彦オーケストラ」を率いていた作曲家兼アレンジャー兼ビブラフォン奏者です。
僕はそのオーケストラ結成当時からのメンバーでしたし、またギターの布川俊樹さんとの3人によるユニット「カトリオ」は未だに、細々とではありますが、活動を続けています。
どちらも1990年頃からですから、もう30数年ですね。
ま、とにかく彼の作曲やアレンジは独創的で複雑、でも実に印象的です。
アルバムも出ていますから、ご興味がある方は是非一度、その音をご自分の耳でご確認ください。
「Riverside Music Garden / 香取良彦ジャズオーケストラ ZIZOレーベル」
CDは絶版ですがAmazon Music で聴けます。
今回の僕のアルバムに入っている「三つの視座」という曲は、多分に彼のそういった独創性のあるアレンジの影響もあると思います。その曲に限らず、今回のアルバムの他の収録曲においても、少なからず香取さんの「常識を覆せ!」的な音楽の考え方と通じるところがあると思っています。
そのことで言えば、僕は、どんなジャンルのアートでも、大事なことは脳裏に焼き付くことだと思っています。
音楽で言えば、右の耳から入って、そのまますーっと左の耳から出ていって、結局脳みその中に何も残っていないような音楽ではダメだと思って作品を作るよう心がけています。
その結果がこのアルバムなんですが、まあ、人によっては「やり過ぎ」「へんてこ」「Too Much」と感じられる方もいらっしゃるでしょう。
でも自身の音楽人生最後のアルバムと位置づけた作品ですから、他人の嗜好を忖度して作る気なんてこれっぽっちないという想いで作り上げました。
しかしながら香取良彦さんは、人生最後のアルバムでも何でもない、最初の最初からその姿勢を貫き通していらっしゃいます。いやいや、素晴らしい!
鬼才の鬼才たる由縁かと思います。
楽曲の詳しい解説は僕のホームページにある、各曲の解説に詳細に挙げています。
モンクへのオマージュ、マリンバやビブラフォンの利用、ビッグバンドの大変さ等々、そこでたくさん語っていますので、是非そちらをお読みください。
そして今回、この録音に参加してくださったメンバーの中にも、その香取良彦オーケストラのメンバーだった方も数名いらっしゃいます。こうやって長きに渡り、お互い、この業界を生き抜けてきたことは本当に嬉しいことですね!