How High The Moon(初級編)ベースラインとアドリブ譜例(タブ譜付き)
How High The Moon(初級・上級編)ベースラインとアドリブ譜例(タブ譜付き)
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ジャズライフ掲載時の解説
この曲も、とっても有名ですし、またセッションでも良く取り上げられる曲ですね。
またこの曲のコード進行をそのまま利用した、チャーリー・パーカーの作曲による「オニソロジー」という曲があります。
ということは、このコード進行を覚えれば、2曲分覚えた事になりますよね。何事も効率的でなければ。しかもオニソロジーのメロディを覚えれば、この曲のソロにも応用できますよ!
この曲のコード進行に関しては、一箇所、注意しておかなければならない事があります。
メロディーの13〜16小節目を見てください。
ここでは「Bm7-E7-Am7-D7」としていますが、ものによってはその4小節間が「GMaj7-Am7/D7-Bm7/E7-Am7/D7」となっているものもあります。
どちらが正しいのかということはいえないと思いますが、僕の個人的な見解としては、実はオリジナルは後者ではないのかなと思っています。
余談ですが、そのオリジナルとは1940年のブロードウェイで上演されたレビューらしく、その時のこの曲の、この部分のコード進行がいかなるものであったかは知る由もありません。しかし70年も前の曲を未だに演奏してるんですね。しかもまたそれが演奏していて楽しんですから、音楽って、そしてジャズって素晴らしいですよね。さて、で、なぜ僕がそう思うかといいますと、このメロディ自体の流れには、後者のコード進行のほうが合うように聞こえるからです。しかしこれは全く僕個人の感じ方です。皆さんにはどう聞こえますか?
あるいはもしオリジナルのコード進行に関しての知識がある方は、是非お知らせ頂ければと思います。
で、ではなぜ僕が敢えて前者のコード進行を採用したかについても触れておかなければならないですね。
これがまさに、最初に述べたパーカーの曲、「オニソロジー」が決め手となっています。
パーカーのオニソロジーを聞いてもらえば分かりますが、彼はここに前者のコード進行にバッチリはまるメロディを当てています。それはなぜかというと、これも僕の推測で、真意のほどは本人に訊かなければわかりませんが、前者のコード進行のほうが、より即興演奏に向いているからだと思います。ようするに、ドミナントコードを含んだツーファイブというコード進行が、しかも1小節にコードひとつという状況で出てきた方が、より複雑なアドリブフレーズを構築する事が出来るからだと思います。皆さんも一度、前者と後者のコード進行それぞれでソロを取ってみてください。
どちらのほうがよりフレーズを作りやすいかどうかを、自ら確認してみてください。
そしてこのことからもいえる事は、オリジナルのコード進行、あるいはセッションの時に渡された譜面に書いてあるコード進行でも、自分の解釈で適当に変えても十分サウンドする事がよくあるという事です。
どんな時に勝手に変えていいかは、一概には言えませんので、これはいろんな曲のコード進行やその理論的な裏付けをしっかり勉強して、その上でセッションの場などで色々トライしてもらうのが一番かと思います。そんな事を考慮して上で、今回の講座では前者のコード進行を採用する事にしました。ということで今回はほとんど僕の作ったものの解説ができませんでいたが、実際に音で出してみれば、色々分かって頂けると思います。曲自体はツーファイブだらけですからね。よろしくお願いします。