Have You Met Miss Jones ベースラインとアドリブ譜例(タブ譜付き)

DL20021905

Have You Met Miss Jones ベースラインとアドリブ譜例(タブ譜付き)

商品番号:DL20021905
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ジャズライフ掲載時の解説
この曲のさび(Bセクション)のコード進行ってとても難しいですよね?
そのむかし、ジャズを始めた頃に、初めてこの曲を演奏した時、面食らった記憶が鮮明にあります。
Aセクションのコード進行がとても普通なだけに、このさびをどう乗り切るかがこの曲のポイントかと思います。(とはいえ、コード進行が簡単だからって、良いソロが取れるとは限らないんですが…)良いソロが取れるかどうかはさておき、とりあえずAセクションは良しとして、今回の講座ではこのさびの部分を徹底研究したいと思います。

端的にいってしまえば、この部分は2小節づつ、次々と転調が連続していると考えて良いと思います。
ですから、転調ごとに次々とスケールが変化していくということなので、言い換えれば、さっきまで使えていた音が、次の小節では、あっという間に使ってはいけないに音になってしまうという、大変やっかいな状況です。

ではその転調に関して、細かく分析してみましょう。さびの最初のコード「BbM7」は、この曲のキーがFですから、キー・FのIVMaj7(機能としてはサブ・ドミナント)だと考えて良いでしょう。すなわちキーはFです。続く「Abm7-Db7|GbM7」は、GbM7のツーファイブであり、ここは既にキー・Gbへの転調と考えるべきでしょう。続く「Em7-A7|DM7」も、キー・Dへの転調、続く「Abm7-Db7|GbM7」で再びキー・Gbに戻り、最後の「「Gm7-C7」で、キー・Fに戻るという進行です。

FとGbでは、半音の転調ですから、使える音がBb以外は全て変わってしまうんですよね。GbからD、そして再びGbへの転調では、その二つのキーに共通は音はGb(=F#)とB、及びDb(=C#)の3音です。Dのときに敢えて、使用可能なスケールをリディアンだと考えれば、Abも使用可能になります。4音共通であれば、これは結構様々なフレーズが作れますね。ここでちょっとメロディーを見てみてください。

さびの前半ですが、頭から見ていくと、メロディーの流れが「C→Bb→Ab→Ab→Gb→E」となっていますね。このような声部の流れを「ガイド・ライン」といいます。
こういう流れを本にソロを構築するのも良いでしょうし、僕の作ったソロのように、17・18小節目のモチーフを21・22小節目で展開するという「モチーフ・デベロップメント」というアイデアも有効です。このあたりのことは何度もこの講座で触れましたよね。

さてここで、今回この課題曲に関して、ちょっと気づいた事に触れておきます。
さびのこのやっかいなコード進行を見て何か気づきませんか?あるいは以下のようにすれば分かるかもしれません。

各ツーファイブの、ツーのコードを取り除くんです。すると「BbM7|Db7|GbM7|A7|DM7|Abm7-Db7|GbM7」となります。

如何ですか?まだわからない人は、このコードを全て半音上げてみてください。
さらに最初の4つのコードを2拍ずつに置き換えてみてください。
するとこうなります。「B-D7|G-Bb7|Eb|Am7-D7|G」。どうですか?わかった人はかなりのジャズ通ですね。
そうです、これはコルトレーンの「GiantSteps」の最初の5小節です。
なんと1937年に作曲されたこの曲には、既に、いわゆるコルトレーンチェンジが使われていたのです!
いや~、驚きです。リチャード・ロジャースって、凄い作曲家だったんですね!

参考音源
July5th/GreatJazzTrioハンク・ジョーンズにジョン・パティトゥッチ、オマー・ハキムという、なかなかおもしろい取り合わせです。しかもライブアルバム。ハンクもですが、パティトゥッチも、相も変わらずまたまた良いソロをしています。このソロはとっても参考になると思いますよ!しかし最近の彼のアコースティック・ベースは本当にいいですよね。

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