Port Of Entry by ジャコ・パストリアス ベースコピー譜
Port Of Entry by ジャコ・パストリアス ベースコピー譜
再ダウンロード有効期間(日数) | 無期限 |
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ファイル名 | Port Of Entry(jaco).pdf |
公開日 | |
バージョン | 1 |
制作 | 納浩一オンラインショップ |
- 商品詳細説明
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「こんな曲をコピーしました!」の第11回は、ウェザー・リポートのアルバム「Night Passage」の中から、「Port Of Entry」のジャコ・パストリアスのソロです。
(譜面は有料となっていますので、ご興味がある方が是非ご購入ください。きっと、買って損はないと思いますよ!)
音源はもちろん、YouTubeにもあります。
ソロ自体は、2:28辺りから始まります。
まずは音源だけでも聞いてみてください。
僕個人としては、アルバムとして正式に発表されているジャコのソロの中では、「最強・最悪!」レベルのソロではないかと思っています。
たった1分程度のソロですが、ジャコの全てが凝縮されている気がします。
このソロ自体は、僕がバークリーにいた頃に採譜したものを、今回改めて丁寧にコピーし直したものですが、やはりかなり間違いが多かったといえます。
その大きな要因について触れておきましょう。きっと、皆さんが耳コピをするときにも、僕の失敗例などがお役に立つかもしれませんし、それがまた、このソロについての解説にも繋がっているように思いますので。
1)スケールがよく判ってなかった
35年ほど前の僕には、このソロはそのほとんどが、Cのメジャー・ペンタトニック・スケールで取られているように聞こえました。
ところが今回、聞き直してみると、例えば9~12小節目では、Cのコンビネーション・ディミニッシュによるフレーズだったんですね。当時の僕にはそれが聞き取れていませんでした。
とはいえ、こんなスピードで、このフレーズを弾くというのは、当時も今も、僕には全然無理!
(ですが、このコロナの暇な時間を使って、今月中に、このソロがなんとか音源に合わせて弾けるよう、老体にむち打って頑張ろうという決意をしました。まあ、結果は大体想像がついているのですが。)
ま、それはともかく、17小節目辺りからの、マイナーコードの分散スケールを半音ずつ動かすというようなアプローチも、当時はしっかり聞き取れていなかったようです。
しかしながら25小節目からは、これはもうペンタトニック1発です。
ジャコのお得意な、16分音符の5つ取りもありますね。
こんな単純な音階も、これほどのリズムとスピード感で弾けば、めちゃくちゃかっこいいという、お手本のようなソロかと思います。
2)以前の採譜では、必要以上に難度の高いフレーズにしていた
人間には、やはり限界というものがあります。
たとえジャコといえども、どう考えても、このスピードで弾けるフレーズと弾けないフレーズがあるはずです。
もちろん、昨今のリチャード・ボナやアドリアン・フェローといった、スーパーバカテク・ベーシストや、さらにはビクター・ウッテンのように3フィンガーや4フィンガーを使うような、奏法そのものが違う人はその類いではありませんが。
ジャコの場合は、あくまで2フィンガーなので、今の僕なら、「これなら弾けるはず」というような音使いを、おおよそ推測することが出来ます。
が、以前の僕には、そういう予測がつかず、結果として、採譜したフレーズが、およそ人間には不可能な、あり得ないようなフレーズになっていました。
その意味で言うと、先に挙げたボナやアドリアン、ウッテンも、聞いていると宇宙人が演奏しているように聞こえますが、実際は、それほど複雑なものではないこともよくあります。
音のマジックというか。
その辺りに関して、昔の僕より今の僕の方が、ベースの技術そのものに関しての知識が、若干ですが、増えているんでしょうね。
3)耳が進化した? いや機器が進化した
やはり経験を重ねると、細かなところが聞こえるようになってきたのかもしれません。
でもそれよりも、やはりパソコンという機器によって、同じところを、もう死ぬほど聞き返すことが出来るようになったというのは、とても大きいですね。
今回も、たった数音を取るのに、一体何度聞き返したことか!
でもバークリー時代は、もちろんカセットテープしかありませんから、あまりこんな聴き方を繰り返していると、場合によってはテープが伸びたり、最悪の時は、テープが切れたりします。
もっとひどいときは、間違って録音ボタンを押してしまって、肝心の音源を消去したり、なんてこともありました。録音防止用のつめを折っていなかったんですね。
いや~、パソコンってやっぱり凄いですね。
あの頃の僕にパソコンがあったら、なんてちょっと思ってしまいます。
ま、こんなことから、当時の僕の採譜には多くのミスがありました。がしかし、だからといって、今回の採譜が合っているという自信もありません。先ほども言ったように、何度聞き返しても聞き取れない場所は多々あります。
もし皆さんも自ら採譜してみて、僕のと違っていたら、それはそれでいいと思います。
だってもう正解は、天国にいるジャコのみぞ知る、ですからね。
大事なことは、自分で聞き取ること、そしてそれときっちり譜面にして残しておくことです。そうすれば僕のように、40年近く経っても、もう一度チェックし直せますからね。
40年も前にコピーしたものを、頭の中の記憶にしまっておくなんて、絶対不可能ですからね。
そんなことで、このソロは本当に凄いと思います。
1980年に発表されたアルバムなので、録音はおそらくこの年か前年か。
ジャコが好調だった最晩年かもしれません。
僕はおそらく1981年のウェザーの来日の時に、初めてジャコを見ましたが、そのときはあまり好調ではなかったような記憶があります。
でもとにかく、あのジャコが目の前でベースを弾いているということだけで感動。
それに、あの頃の僕には、一体ジャコの、あるいはザビヌルやショーターの何が凄いのかは、まだよく判っていなかったと思います。
とにかくジャコが参加している、ウェザー・リポートが来日するということだけで、とにかく見に行ったわけです。
こちらの方も、「今ならなぁ」って、本当に思いますね。
いまなら、個々のメンバーの凄さや、バンドとしての凄さが、もっともっとしっかりわかったはずです。そのステージでは、きっとこの曲も、そして「Teen Town」も「Birdland」も演奏したはずですが、そういった記憶はさっぱり。
ただ唯一、ジャコの2作目に収録されている、ビートルズの「BlackBird」を演奏したと思います。
そんなことで、まもなく還暦を迎えるこの10月は、35年前に戻って、徹底的にこのジャコのソロを練習したいと思います。
まあ、僕もまだまだ若いってことですね!
(しかし、この35年、ベースの技術は後退こそすれ、全然進化していないような気もします。その分、深みが増したってことでしょうか?)