Three Views Of A Secret 【From 琴線】ベース譜

DL23081701

Three Views Of A Secret 【From 琴線】ベース譜

商品番号:DL23081701
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バージョン 1
制作 納浩一オンラインショップ
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僕が2007年に出したアルバム「琴線」から、僕のソロのコピー譜を連続で挙げたいと思います。
実はこのアルバムを出した時に、ありがたいことにジャズライフ誌で連載していたスタンダード講座で数回に亘って、そのアルバムから数曲をピックアップして、連続掲載して貰えることになったですが、その時の譜面を新たに清書してサロンに公開しますので、アルバムをお持ちの方は、是非譜面を見ながら、改めて僕のソロをきいて見てください。
まず最初に、ジャコ・パストリアスの「Three Views Of A Secret」です。

音源は以下にあります。
琴線もサブスク対応しています。

この曲は本来、ベースでメロディを取るというようにはなっていないので、特にアコースティックベースでメロディを取るには余りに音域が高すぎたり、あるいは低すぎたりします。
そこで僕はキーを変えることにしました。
そのキーでの譜面も併せて載せてきますので、メロディの方も是非トライみてください。
さてでは僕がソロを取っている部分について、少し解説してみます。
曲の最後の部分でソロを取っているのですが、その部分でのコード進行は以下のようなものです:
C7(#9) – A7(#9) – A♭7(13) – F7
これを見て、「お、これはなかなか手強いぞ」と思いませんか?
特にベーシストは、こういったテンションが着いているドミナント7thコードを目の前にしたら、ひるんでしまうような人が多いのではないかと思います。
とにかくまずは、それぞれのスケールを判断することから始めるしかありません。

この部分でのキーはCですので、
1) C7(#9):オルタードかコンビネーション・デミニッシュ
2) A7(#9):オルタードかコンビネーション・デミニッシュ
3) A♭7(13):リディアン♭7
4) F7:ミクソ・リディアン(リディアン♭7でもいいのですが、この部分でのCのスケールが、メジャーというよりセブンス系なので、「B」の音より「B♭」のほうがはまります。いわゆる普通のブルースでの、5小節目のサブドミナントのところと同じですね)
こうやってスケールを分析しても、まだまだ「いや、やっぱり手強い!」ですよね。
僕も最初はそうだったのですが、この曲を何度も演奏しているうちに気がついたのは、「あれ、この部分、結局はCのブルーノートスケール一発でいけるやん?」ってことです。
その構成音はというと、
C、E♭、F、G♭、G、B♭
です。

これを上の4つのスケールに当てはめてみると
C7(#9):#9であるE♭の音があるのでバッチリ。とにかくCのブルーノートスケールですから。
A7(#9):C→#9、E♭→#11th、F→♭13th、G♭→13th、G→7th、B♭→♭9th

ということで、Fを使えばオルタード、G♭を使えばコンディミ
A♭7(13):C→3rd、E♭→5th、F→13th、G♭→7th、(G→M7なのでさすがにNG)、B♭→9th
F7:C→5th、E♭→♭7th、F→Root、G♭→♭9th (これは要注意!)、G→9th、B♭→4th(上に書いたとおりの理由で、まったく問題なし)
如何でしょうか?

多少の要注意ポイントはあるにしても、ほとんどCのブルーノートスケールだけでいけることが分かりますよね?
実はこのことから僕が気づいたことは、ジャコはこの事が分かった上で、このコード進行を設定したのではないかということです。まあ、本人のみぞ知る、ですが。
しかしながらこのように一見、かなり複雑に見えるコード進行でも、実は意外と簡単に対応出来るという場合もあるということです。
ということで、みなさんも是非、単純に外見に惑わされず、その本質に迫ってみてください。すると、意外な真実を見い出すことができたり、思ったよりも楽に物事がはかどる事があります。
まるで人生と同じですね!

もちろん、だからと言って、そんなに簡単に良いソロは取れるというものではありませんが。
では次回はアルバム「琴線」に収録されている、デューク・エリントンの名作「Mood Indigo」の僕のソロ譜面を掲載します。
どうぞ、お楽しみに!