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ツアーも終了しました。 (Jan. 30, 2006)

名古屋では京都での反省点もばっちり修正でき、最終日にふさわしい演奏ができたと思います。こんな楽しいセッションがこれで終了なんて、ちょっと寂しいですね。
でも「もうちょっと聞きたい!」くらいがいいのかも。
とにかく、またこのセッションは是非やりたいと思いますので、そのときをお楽しみに!

さて今後の予定です。

BBSにも書きましたが、いよいよ2月からは森山良子さんのデビュー40周年記念ツアーのリハーサルが始まります。それに向けてやっと候補曲も上がってきたので、いよいよアレンジに取りかかろうという状況です。
僕にとってベースを弾くことは、ミュージシャン納浩一として何よりも重要な要素ですが、それに負けず劣らず、作曲、そして編曲も重要な要素だと思っています。
ただベースを弾くだけではなく、多くの人が感動してくれるような曲を書くこと、そして素敵な曲を、さらに多くの人に楽しんでもらえるように変化させることも、本当に楽しい作業です。
そういう意味で、この森山良子さんのツアーで音楽監督・編曲を任せてもらっていることは、僕のキャリアの中で本当に大事なものだと思っています。
すばらしいシンガーである森山良子さんの世界を、僕の力でさらに魅力あふれるものにすることができれば、これほどやりがいのある仕事はありませんよね?
そんなことを思いながら、いよいよ編曲作業に取りかかろうという今日この頃です。

クリニックDVDの収録もあります。題材はウォーキング・ベースです。
ベーシストにとって、それもジャズにあまり不慣れな人にとっては、ウォーキング・ベースというのは本当に難しいんです。
ロックやファンクのように、コードが変わっても、同じパターンを平行移動させれば済むというようなものではないですからね。
ただ、理論ずくめで解説してしまうと、「なんかむつかしい。や〜めた!」なんてことになりがちです。
ですからこのDVDでは、すぐに使えそうなフレーズ満載というようなものにすることにしました。
まあ、ベースを弾かない人には実につまらないものかもしれませんが、コアな納浩一ファンの方は、是非買ってみてください。って、そんなひといるんかな?

そしていよいよEQ が始動します。
3月のレコーディングに向けての選曲・編曲・リハーサルがいよいよ大詰めです。
これだけのすばらしいメンバーと一緒に、パーマネントなバンドをやっていけるというのは、たいへんな幸運だと思っています。
そしてEQも4枚目。より高いステージに上がりたい。そんな野心を燃やした4枚目です。
メンバー一同、気合いが入っています。何がどう変わるのか、是非楽しみにしていてください。

その他、5月にはジャック・リー率いるバンド ”Ajianergy” の韓国ツアーおよびTV収録なんていう予定もあります。
ということで今年もいろんな活動がありますので、是非このサイトをまめにチェックしておいてくださいね。

では。

CD発売記念ツアー初日の模様 (Jan. 27, 2006)

初日の京都ラグも盛況のうちに終わり、ほっとしているところです。書き込みにも触れましたが、僕個人としては悔いが残るところがありました。
でも、悔いが残らないライブなんて無いんじゃないでしょうか?
まあ、何回かに一回くらいはそういう日もありますが、それは奇跡的ともいえます。ほとんどの場合、例えば演奏の感想を聞かれたとしても、 「大体は良かったけど、あそこがなぁ」って感想になってしまいます。
しかし、その納得のできなさが、明日への進歩を生むんだと思います。もちろんちゃんと「だめ」だったと感じる部分の修正をしていれば、という条件付きですが。
今日の名古屋はどうでしょうか? ちゃんと修正できるかな? そのためにも問題点をきっちり整理しておかないとね。

こんなことをいつも演奏後には考えているんですよ。

僕はスポーツが大好きです。無類のサッカーファンだということは、ご存じの方も多いと思います。
でも野球も本当に好きです。1988年の10月19日、知る人ぞ知る、あの川崎球場での近鉄−ロッテ戦の、まさにその現場にいたんですから!
見ず知らずのまわりのおっさん(近鉄ファンにはおっさんしかいなかった!)と、抱き合って涙したあの日は、生涯忘れません。僕にとっては、ドーハの悲劇に匹敵する試合でした。
相撲も(弱かった頃の千代の富士がいいなぁ)ラグビーも(平尾・大八木時代の同大・神戸製鋼がお気に入りです)何でも好きです。
なぜ急にスポーツの話を出したかというと、トップで活躍する人たちの話の中には、必ずといっていいほど、楽器を、そして音楽を向上させるのに参考になるような意見が満載されているからです。
例えばイチローの言葉で最も気に入っているものをひとつ――あるインタビューで「どうすればイチロー選手のようになれますか?」という問いに、「少なくとも野球でお金を稼ごうなんて思っていたら、イチローにはなれないですね」だって!
かっこよすぎません?!

スポーツの試合では、相手はこちらの失敗や弱点を攻めてきます。
例えば昨日のような、自分自身の演奏で悔いの残るような部分は、必ず次の時までに修正していかないと、スポーツの場合、そこを攻められて負けてしまうんですよね。
そのための対策とか思考のしかたに関する話は、実際自分がそうするための本当にいいアドバイスになります。
僕は自分をアスリート系ミュージシャンと思っています。
実はこのタイプ、ジャズやフュージョン系にはかなり多いタイプです。負けず嫌いで、練習の虫ってミュージシャンですね。
ただこれが過ぎると、聴いてくれている聴衆のことなんかほったらかし、自分の世界だけにひたすら没頭する、いわゆる楽器オタクになってしまいます。
ここのバランスが本当に難しい。ここは本当に悩むところです。
もちろん自分が納得していない音なんか出せませんが、それがどれだけの人に分かってもらえているのか。
自分がやっていることは理解され、共感を得られているんだろうか。
さらには楽器がうまいってことはどういうことなんだろうってね。

「こんな納浩一に食えないと言わしめるこの日本の音楽シーンとは」と書き込んでくれた方がいました。
確かに今売れているという音楽の多くには、はっきりいって納得できないものが多いです。
ただそれをシーンのせいだけにはできない。シーンのせいにしてしまうと、自分とシーンの距離がどんどん離れていってしまいますからね。
今はジャズシーンにも若くて人気のある人が出てきて、活気が出てきましたが、数年前は本当に低迷していたような気がします。
それはきっと多くのジャズに関わる人たちが、ジャズが低迷しているのは聴衆に聞く耳がないから、日本の音楽シーンがだめだからと切り捨てていたからのように思います。
もしそうだとしたら、それを打開するために、 そういった聴衆やシーンの耳を鍛えるような活動を率先してやっていかなければならなかったのではないかな?

我が日本の代表がW杯連続出場なんて、十年ちょっと前には考えられないようなことが起っているのも、サッカー協会が子どもたちの育成という、底辺からの変革に取り組んだからでしょう。
音楽も、それまで何も知らなかった人に突然ジャズのインタープレイを楽しめといっても無理があります。
そのおもしろさを、あるいは楽器を弾くことのすばらしさを、ことあるごとに紹介していくような活動が必要なんだろうと思います。
ぼくが大学で教えたり、いろんなクリニック活動をしているのもそんな理由があるからです。
将来、時間に余裕ができれば、もっと小さな子供たちに音楽のすばらしさ、楽器を弾くことのすばらしさを教えるような活動ができたらな、と思う今日この頃です。

ということで長々書きましたが、こんなふうに日々、いろんなことと葛藤しながら暮らしています。
きっとイチローも中田も、朝青龍もみんな悩んでいるんだろうな、いろいろと。
そんな中でも結果を出している彼らは、本当に凄い。僕もがんばります。
名古屋の僕のライブに来られる方、 期待していてくださいね。
それと、これから僕の演奏を見に来られる方もみんな、期待していてくださいね。アスリート系納浩一は、明日からも戦い続けます。
って、なんか政治家の広報みたいになってしまいましたね。ではでは。

CD発売記念ライブの第一弾が無事終了! (Jan. 19, 2006)

いやいや、ほんとうに疲れました。ウッドベースって、こんな大変な楽器だったんですね。
よく他の楽器の人が休憩の時なんかに、「ちょっとウッドベース、触らしてもらってもいい?」なんていうのですが、「ええ、いいですけど、気をつけてくださいね。最初は気持ちよく弾いていても、後で後悔しますよ」って忠告するんです。
というのも、普通の人なら5分も弾いていたら、もう指先には水ぶくれができますからね。
そんな楽器を昨晩は2時間強、弾きまくっていたんですからね。
しかもメロディをとって、ソロをたっぷりした日には、全く休めやしない!
最初から終わりまで引き続けているんですからね。

ということでさすがの僕も、今日は指先がじんじんしています。
今日がオフ日で良かった!
こんな指の状態じゃ、今日はまともな演奏は不可能です。
そういえばマーカス・ミラーにインタビューをしたときも、「1週間のブルーノート・コンサートの時なんかは、木曜日あたりにはもう指が痛くて、ほんと、辛いんだよ」っていってました。
彼もメロディにソロにと、弾き続けですからね。よく分かります。
でもウッドベースじゃ、それが一日しか持たないんですね。
ただ、正月を挟んで昨年の暮れから全然ライブしてなかったという事情もありますから、指がなまっていたというのもありますね。まいったまいった。
さて昨日ですが、ライブは本当に楽しかったです。
9月のレコーディング以来ということに加え、直前の急な変更(そのときには入ってもらわなかった曲に、今回特別に小沼君に加わってもらった)もあって、進行や構成で混乱した場面もありましたが、そんなことは枝葉末節。
エネルギッシュで楽しい演奏ができたと思います。
終演後も、多くの方からのサインの要望と共に、暖かい感想を聞かせていただきました。
きっとそのエネルギーが、会場の方にも伝わったのだと思います。よかったよかった!
京都や名古屋では、そういった混乱もないよう、そしてさらに盛り上がった演奏ができるようがんばっていきたいと思います。

さて、「琴線」のはなしは少しおいといて、それ以外の「What’s New」を。
2月に「ウォーキング・ベース自由自在」というクリニックDVDを取る予定です。
今はそのための資料作りに終われています。
なにせ1時間のDVD、しかも初心者も直ぐに使える(かもしれない?)ウォーキング・ベースの、秘伝のフレーズ満載という名目です。
そんな、すぐに役に立つフレーズをいっぱい作ろうと、頭を悩ませています。
以前「直ぐ弾けるジャズ・ベース」というビデオをリットーミュージックから出したことがあるのですが、これがかなり不評でした。
「納さん、あれ難しすぎて、直ぐに弾けないですよ!」って。
「あたりまえじゃ! ジャズ・ベースがすぐに弾けるようになるんやったら、誰も苦労せぇへんわい!」という言葉が喉元まで上がってくるところを押さえて、「はい、申し訳ありません。私が至らぬばっかりに」と謝る日々が続いたことがありました。
同じ轍は踏むまいということで、今回は「あれ、役に立っています!」といってもらえるようなDVDを作ろうと、頭をひねっている毎日です。
そんな合間を縫って、2月からは森山良子さんの2年目のツアーが始まり、そのための新たなメニューのアレンジもしなければなりません。
なのにまだ選曲が決まっていない。譜面も来ていない。
どないすんねん!
今年は良子さんの40周年。
そんなスペシャルな年でもあるので、内容もきっと盛りだくさんになるはずなのに。
きっとそのうちどっと曲がきて、「じゃ、アレンジ、お願いね。」ってなことになるんでしょうか?
かなりびくびくしている今日この頃ですが、とにかくいいコンサートになるよう、アレンジもがんばりたいと思いますので、そちらの方も楽しみにしていてください。

それとその、森山良子さん40周年記念のイベントの皮切りとして、1月21・28日の夕方放送の、フジテレビ「ミュージック・フェア」に、良子さんの伴奏で出演します。
収録自体は昨年に行われました。
暮れも差し迫った昨年12月27日に行われたのですが、一日で2回分を取るというハードなスケジュールだったため、収録終了は夜中の3時過ぎ。
最後の最後に、今年のツアーでも演奏する予定の「聖者の行進」という相当複雑なアレンジの曲を収録したため、僕を含めてビッグバンドのメンバーの多くが、「この時間にこのアレンジはなぁ」と嘆いていました。
まあ、そんな裏話も念頭に置きつつ、お暇な方は見てやってください。ゲストも豪華な顔ぶれなので、楽しめると思いますよ。

そんなわけで今年も気がついてみれば、あっという間にギアは5速に入っています。
まだ体は暖気運転中なのにね。ちょっとからだと心に猛チャージをかけないと。

今年もライブにコンサートに、TVにCDに、雑誌にDVDにと、八面六臂の活動をしていきたいと思います。
詳しいこともこのHPでどんどんご報告させて頂きたいと思いますので是非期待していてください。ではでは!

「琴線/ The Chord 」 (Jan. 13, 2006)

今この新年の挨拶と HP の再起の一文を書いている今日は、1月13日。
そう、9年ぶりのリーダー作が発売になった翌日なわけです。
もう聞いて頂けましたでしょうか?
感想なんかもどんどん BBS に書き込んで頂けると嬉しいと思っています。

ということで、その新譜「琴線/ The Chord 」に関しての、自分なりのコメントを書いてみたいと思います。
この話をキングレコードの名物プロデューサー・森川さん(例のベースを大フューチャーしたシリーズ、「低音」シリーズの仕掛け人。 本人もベーシストなんですね、これが)からいただいたときは、はっきりいって「やばいなぁ」って思いました。
だってそこまでにこのシリーズでリーダー作を出している人たちを挙げると、ブライアン・ブロンバーグ、ビクター・ウッテン、アビシャイ・コーエンなどなどですよ!
そんな凄腕ベーシストたちのあとに僕が何をできるんだろうかってね、深く考え込んでしまいました。
でも森川さんの、「納さんのファンや日本のアマチュアベーシストたちは、日本人である納浩一が、そういう人たちとはまた違って、どんな味を出すだろうって、きっと凄く期待してると思うんですよね」という言葉にのせられて、「ほな、だめもとでいっちょ、やりましょう!」ってなことになったわけです。

でも結果として、やってみて良かったなぁと思っています。
きっと自分からは、進んでこういった企画のアルバムを作ることはなかったと思います。
どういう意味かというと、ベースを、しかもコントラバスのみをフューチャーし、編成も限られ、選曲も基本的には有りもの、それも多くのジャズファンが知っているような有名曲を選んで作品にするというようなことは、かつて全く考えたこともなかったからです。
でももちろん普段はこういった曲を、ライブの度に演奏していたわけですから、決して嫌いではなかったのですが、敢えて作品として世に出すという気持ちは全くなかったわけです。
でも森川さんからこの企画を頂いて、選曲に入ったときに、「とにかくウッドベースの表現力ということにこだわろう。それにしっかり合致するような人選・選曲・演奏にしよう!」と思ったわけです。
ということでそんなところがこの CD を聞いてくれた方に伝われば嬉しいなと思います。

「琴線」というタイトルも、そんな気持ちでつけました。
もちろん先ほど挙げたベーシストたちは、彼らのリーダー作のなかでは、驚くような技術を駆使し、圧倒的な演奏を繰り広げています。
僕には到底できません。でも多くの人が聞きたいと感じているのは、そういったベースの技術ではなくて、心の奥の琴線に触れる、優しさや暖かさや強さに包まれた音楽じゃないのかな、そんな気が最近しています。
もちろん先ほどの人たちがそんなことをおろそかにしているとは思えません。
ただ僕がそういう人たち肩を並べる場所があるとするならば、とにかくそういうことを大事にするしかないのかなと思うわけです。

まあとにかく、僕のベースプレイが皆さんの心の琴線に触れることができたなら、本当にこの作品を出して良かったなぁと思います。

今後の予定 (Jan. 13, 2006)

さて、今年はこの新作発表に始まり、3月にはEQのライブレコーディングがあります。
今の予定では映像も撮るそうなんで、本当に楽しみですね。
まあ、イケメンとはいえない俺たちですが、楽器を持っているときくらいは様になっていると思います。楽しみにしていてくださいね。

それと、昨年から続いている森山良子さんのツアーも2年目に入ります。
今年は良子さんのデビュー40周年ということもあり、ツアーもますます盛り上がっていくこととなるでしょう。

このツアーではポップであるにもかかわらず、毎回毎回演奏するたびに、新発見があります。
それもきっと良子さんのジャズ的なスタンスに起因しているのでしょう。
唄うたび、本番の度に進化しようとする良子さんの姿勢には本当に刺激を受けます。

ジャズというのは音楽の形態を指すのではなく、いかなる時も創造性を大事にし進化し続けるという、心の有り様をいうのでしょう。
貞夫さんや良子さんやそのメンバーとスタッフ、EQのメンバー、今回の新譜のメンバー等々、創造性溢れる人に囲まれて、今年も多いに盛り上がっていきたいと思いますので是非よろしくお願いします。

HP、今年は更新しますよ!  ではでは。

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