あのとき使ったのは今のベースといっしょ、4分の3サイズです。でもなぜ大きく見えたんでしょうね?
ところで4分の3サイズにもいろいろあって、製作者によって、あるいは同じ製作者のものでも製作年代によっていろいろなサイズものがあります。
もちろんフル・サイズという、4分の3に慣れたものには本当にバカでかく感じるベースもあります。
たまにセッションなんかでそういうベースを弾く場合がありますが、そういった、サイズの違うベースに慣れるまでにはやはり若干の時間がかかります。
でも10分ほど弾けば大体そのベースの状況を把握できるようになります。
僕の場合は1弦の(エレクトリック・ベースなら12フレットに当たる)Gの位置がどの辺かをキャッチすることで大体そのベースの全体の感じを把握できます。
またそれにかかる時間というのが早ければ早いほど熟練したウッドベース弾きといえるのかもしれません。
でも初心者のような人にはその位置がわかったからといって全体を把握するのは困難かもしれません。
基本的には普段と一緒といえます。
4倍のテンポになったからといって特別なアプローチがあるわけではありません。
例えばブルースを4倍転にしたとしたら12x4=48小節の、全く別の曲をやってると思えばいいんです。
といってもそう簡単にはいきませんが。
それとそうはいっても、やはりもとの曲の流れをちゃんと感じさせる必要があるのは当然です。
さてではどうするか?
う〜ん、こりゃ簡単にはいえませんが、ボクもなんか特別方法論があるわけではなく、こりゃもう慣れというか、そういうアレンジでいろいろなスタンダードを演奏してみるしかないでしょう。
あとはマイルスバンドのロン・カーター等をコピーして研究するしかないでしょう。あるいはソロを研究することです。
具体的にいえば、ソロを取っているとき、1小節に4音(いわゆる4ビートのウォーキングの状態)しか弾かないなんてことないですよね。
ということは8音とか16音弾く場合を考えればいいんです。そうすればそれがそれぞれ2倍転、4倍転にアプローチする基礎となるわけです。
それがラインになっていればいいだけですが、ボクの場合多分にソロ的になっているのかも知れません。それで、なんかコピーしても訳の分からないものになっているのかも(笑)
ローポジションでは原則的に薬指はNOなんですが、さすが鋭いところを見てらっしゃる、そう、僕は使ってます。
やっぱエレベ上がりということなんでしょう。
まあ音程が正確で自分の思う音が出ていればいいということでしょうか。
こういうと、普段生徒にいっている「初心のうちは基礎が大事!基礎に沿ってひたすらクラシックのエチュードをアルコで練習せねばならん!」ということとの整合性はどうなるんでしょうね?
まああとは自分で答えを出してみてください。
これはもうアルコの練習しかありません。
クラシックのエチュードにはこういったハイポジションがバンバン出てくるものがいっぱいあります。
こういったものをひたすらやるしかありません。
親指から薬指でカバーする音域は大体最も広くて、1弦でいうとでGからC#まででしょうか。
これ以上、上の音域になればその間隔はどんどん狭まってきますからね。
そのとおり!ピアニストの一緒にやってもらうのがベストです。
僕も生徒のレッスンの時はピアノを一緒に弾いてあげてます。
でもおっしゃるとおりそんなひとのいいピアニストはなかなかいないでしょう。
僕の生徒たちも家で練習するときは当然ひとりっきりです。
そこで彼らに言っているのは、「とにかく耳を鍛えろ!」です。クラシックでいうところのソルフェージュをたくさんすることです。
僕はウッドベースの初心者にはアルコ用にシマンドルという教則本を練習させているのですが、その各練習曲(最初のうちは曲といえるほどのものではありませんが)を、実際アルコで弾き始める前にそらで唄うようにといってます。
あるいはどんな曲でもいいですから、移動度で(キーがCならCはド、キーがFならCはソ、といった具合です)唄うといったことを練習させてます。
そうすることによって相対ピッチが身に着くようになるので、キー音さえもらえればあとは音程をはずさずに済むのです。
といってもそう簡単には身に尽きません。
僕もバークレーに行ってからそこでの授業で取り組み始めたのですが、大体思って通りに音程が取れる、あるいは自分が弾きたいと思う音がそのキーでのどの音かがわかるようになるまでに2〜3年かかったのではないでしょうか。
まあ子供の頃からちゃんと音楽教育を受けていて、それこそ絶対音感を持っていれば楽でしょうが、それは望むべくもありませんので、今からできることといったらより正確は相対音感を身につけることでしょう。
そうすることによってウッドベースの音程もよくなるはずです。
そりゃもう百万回聴くしかありません。でもそうやっているうちにだんだん耳がよくなってきて、昔は聞き取れなかった音が聴こえてきたりもするので、とってもいいイヤートレーニングになります。
それと弾いてるんだか弾いてないんだかわからないような音はもう自分でいいように作ってしまうんです。
結局は自分がソロをするときのためにコピーしてるわけで、マーカスのそっくりショーをやるためではないんですから、そんな完璧にコピーする必要はないんですよ。
もちろん聞き取れないと悔しいし、さらには雑誌に載せるときなんかはいい加減なことはできませんからそれこそ必死でコピーしますけどね。
あとは理論的にこうあるべきだろうという音に当てはめてしまうという場合もあります。
マーカスだって人の子、その音は失敗していたのかもしれませんし、自分で弾いていておかしいと思う音は自分のソロのときは使えませんから、そういう意味で自分に都合のよいように解釈するというのも手です。
何度もいいますが自分でソロをするためにコピーしてるんですからね。
あと譜割について。
そうですね、あのソロは本当に何連音符を弾いてるんだかさっぱりわからないという音が一杯でてきます。
でもそれも慣れでして、いろんなああいった曲をコピーして、かつ必死で譜面におこすという作業をたくさんすればなんとなくわかってくるようになります。
で、それでもわからないときはもう譜面は適当に書いておいて、自分で弾くときはそのメロディーを覚えてしまうんです。
まずは一緒に唄えるようにするんですね、ぴったり一緒に。何連音符でどうなってるかなんて考えずに、ただメロディーとして覚えるんです。
それからベースでCDに併せてぴったり一緒に弾けるように練習するんです。
そのようにまず唄うという練習をすればそれこそ今度は自分がソロをするとき、まさに唄いたいと思うフレーズが出てくるようになったりもします、何連音符なんて関係ないフレーズが。
でも譜面を書くという作業をいっぱいすれば自然と譜面に強くなりますので、くじけずコピーしたものは必ず譜面におこすようにしてください。
その場合コツといったものは別段ありません。ただもう根性あるのみです。
やはりパーカーでしょう。
でもおっしゃるとおりベースで弾くには殺人的ですよね。
そこで僕にとってとっても参考になったのがジャコとジョージ・ムラーツとジェフ・バーリンです。
ジャコはまあ随所にビ・バップ的フレーズがでてきますよね。
ムラーツは、そうですね、やはりトミー・フラナガンとかローランド・ハナといった超オーソドックスなピアニストとやっているときのソロなんか見事にビ・バップバリバリで参考になると思います。
ジェフ・バーリンは実は個人的に持っているライブの隠し取り音源でして、これまた見事なビ・バップのソロをやってまして、これはエレベでジャズをやるときの、強力なお手本になりました。
そういったものをコピーして、かつニュアンスまで一緒になるくらい弾けるように練習すれば、当然ビ・バップ特有のノリも身に付くといった具合です。
これはウッドのテクニックが相当上がってこないと無理ですね。
それこそエレベで楽に弾けるフレーズがそのままウッドでもできるくらいに。
僕の場合そうなるまでにウッドを始めてから10年くらいかかりました。
それまではあなたと同じような悩みを持っていたのは事実です。
でもそうなってからわかったのですが、フレーズによってはウッドの方が楽にできるものも少なくないんです。
そういう意味でウッドのソロなんかを練習することもエレベ奏者の人がやればとってもいい訓練になると思いますよ。
また全く発想の違うフレージングなんかがありますから、おっしゃるようにウッドのフレーズをエレベで、逆にエレベのフレーズをウッドで練習したりするとそれだけでユニークなアプローチができたりします。
もちろんドナ・リーも練習してみてください。でも僕は弾けませんが(というか練習してません。でもやればできると思います、なんちゃって。あっ、これは死語か)
正解は打ち込みです!...というのは当然うそで、本当は2です。
アップダウンを使っていうように聴こえませんか?そうか。でもアップダウンでやってるんです。
他にもっとすごい技があればいいんですが、そういう場合は企業秘密ですのでお教えできません。
が、幸か不幸かあれはすごい技でも何でもなく、しかし根性のスラッピングです。